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制度の選び方

補助金の「例年の公募時期」はどう調べる?過去の回次実績から次回を先回りする方法

ものづくり補助金の次回はいつ?答えは「未発表」です。ただし過去の回次実績を見れば公募のリズムは読めます。次回日付を断定せず先回りで準備する実務手順を解説します。

設備投資を考えている経営者から、「次の公募はいつ出ますか」という質問を本当によくいただきます。今回は製造業を20年営む鈴木社長との対話形式で、公募時期の調べ方と、まだ公募が出ていない段階でやっておくべき準備についてお話しします。結論を先に言うと、次回の日付は誰にも分かりません。分かるのは過去の間隔だけです。

ものづくり補助金の「次回」はいつ出ますか

鈴木社長(経営歴20年)池田さん、うちは古い機械を入れ替えたいんですが、ものづくり補助金の次の公募がいつ出るか分からなくて、設備計画が立てられないんですよ。
池田診断士(中小企業診断士)お気持ちはよく分かります。ただ、最初にはっきりさせておきたいことがあります。次回の公募日は、私にも、どの支援者にも分かりません。分かっているふりをする業者がいたら、それは危険信号です。
鈴木社長(経営歴20年)え、そうなんですか。てっきり詳しい人は知っているものだと思ってました。
池田診断士(中小企業診断士)そこが誤解されやすいところです。各制度の事務局は次回の公募時期を前もって公表しません。分かるのは「過去、どれくらいの間隔で公募が繰り返されてきたか」という実績だけです。それを見ると、リズムはある程度読めます。

過去の回次を見ると何が分かるんですか

鈴木社長(経営歴20年)リズムというのは、具体的にどういうことですか。
池田診断士(中小企業診断士)当サイトでは、主要な国の制度について過去の締切の回次履歴を記録しています。たとえばものづくり補助金は、2020年3月の第1回公募から2026年5月の23次締切まで、通年で複数回の締切を積み重ねてきた制度です。回によって間隔は変わりますが、「年に数回のペースで途切れずに続いている」という事実は読み取れます。詳しくはものづくり補助金のページにまとめてあります。
鈴木社長(経営歴20年)23回も。てことは、次の24次もそのうち出るだろう、とは考えていいわけですか。
池田診断士(中小企業診断士)「出る可能性が高い制度」と「もう終わった制度」を見分けるには使えます。ただしそこまでです。「次は◯月に出ます」という断定はできません。実際、23次の締切からこの原稿を書いている時点で、24次の日程はまだどこにも公表されていません。
鈴木社長(経営歴20年)なるほど。過去の実績は「傾向」であって「予約券」じゃないってことですね。
池田診断士(中小企業診断士)まさにその表現がしっくりきます。省力化投資補助金(一般型)も同じで、2025年3月の第1回から直近の第7回まで、年3〜4回ペースで公募が続いています(こちら)。新事業進出補助金は第4回まで実施されていますが、これも次回の公募情報は本稿執筆時点で未公表です。回次の実績は「制度が生きているかどうか」「だいたいどのくらいの頻度で動くか」を教えてくれますが、「次はいつ」までは教えてくれません。

過去実績からリズムを読むポイント(表)

制度 実績の傾向(当サイト記録) 読み取れること 読み取れないこと
ものづくり補助金 2020年3月〜2026年5月で23回の締切を記録 通年で継続的に公募が繰り返される制度 24次以降の具体的な日程
省力化投資補助金(一般型) 2025年3月〜2026年7月で7回の締切を記録 年3〜4回程度のペースで運用 次回締切の正確な日付
新事業進出補助金 第1回〜第4回まで実施 制度として定着しつつある 次回公募の有無・時期
鈴木社長(経営歴20年)逆に聞きますが、「次回は◯月頃に出ます」って断言してくる業者がいたら、どう考えればいいんですか。
池田診断士(中小企業診断士)事務局の公式発表以外を根拠に断定している時点で疑ってください。過去の間隔から「そろそろではないか」という見立てを話すのは実務家として自然ですが、それを確約のように売り込むのは別問題です。採択率100%を名乗る業者の見分け方でも書きましたが、「言い切る人」ほど根拠が薄いことが多いんです。

公募が出る前にやっておくべき準備

鈴木社長(経営歴20年)じゃあ、次がいつ出るか分からない前提で、うちは何をしておけばいいんですか。
池田診断士(中小企業診断士)公募が出てから動き出すと、必ず時間が足りなくなります。公募が出る前にできることは、実はたくさんあります。
  1. 賃金台帳を整えておく — 賃上げ要件がある制度では、直近12か月分の賃金台帳が月別・個人別に整っているかを事前に確認しておきます。公募が出てから慌てて税理士・社労士に依頼すると、審査書類の準備だけで締切に食い込みます。詳しくは賃金台帳と補助率の記事にまとめています。
  2. 設備の仕様を固めておく — 入れたい設備の型番・仕様・想定価格をある程度絞り込んでおきます。見積は「取るだけ」にとどめ、発注はしません。交付決定前に発注してしまうと補助対象外になるため、ここはフライング着工NGの記事を必ず先に読んでおいてください。
  3. 事業計画の骨子を書いておく — 誰に・何を・なぜ今投資するのかという骨格は、公募要領が出る前から作れます。数字は後から調整すればよく、骨格の完成度が申請書の質を左右します。
鈴木社長(経営歴20年)なるほど。公募が「出てから」動くんじゃなくて、「出る前」から動いておくってことですね。
池田診断士(中小企業診断士)そのとおりです。設備投資は納期が長いものも多いので、公募が出てから準備を始めると間に合わないケースを何度も見てきました。準備だけ先に終わらせておいて、公募が出た瞬間に申請書の作成に専念できる状態を作るのが理想です。

自分で追いかけるのが大変なら

鈴木社長(経営歴20年)とはいえ、毎日サイトをチェックし続けるのも正直しんどいんですよね。
池田診断士(中小企業診断士)そこは私も同意見です。公募が出ていない制度も含めて、過去の予算規模や回次実績から「次に出そうな制度」を先回りで整理してご提案する48時間提案書サービスもやっています。公募前の制度も候補に入れて動きたい場合は、一度ご相談ください。既に公募中の制度を広く見たい場合は検索ページ、締切が近い制度の一覧は締切カレンダーからも確認できます。
鈴木社長(経営歴20年)早め早めに動くのが結局一番の近道なんですね。今日から賃金台帳と見積の準備、進めておきます。
池田診断士(中小企業診断士)それが一番効きます。公募が出た日に「あとは書くだけ」の状態にしておく。それが先回りの実務です。

※ 本記事に記載した回次実績・公募時期の傾向は、当サイトが2026年7月時点で記録している情報に基づく一般的な解説です。次回公募の有無・時期・要件・補助率は制度ごと・回次ごとに異なり、事務局の公式発表以外に確定情報はありません。申請の際は必ず各制度の公式サイト・最新の公募要領(原本)をご確認ください。

※ 聞き手(田中さん=創業準備中・佐藤さん=開業1年目・鈴木社長=経営歴20年)は、読者のみなさまの疑問を代弁する架空のキャラクターです。回答はすべて運営者・池田哲郎(中小企業診断士)本人によるものです。

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この記事を書いた人

池田哲郎(中小企業診断士・池田計画合同会社)。山梨県を拠点に、補助金申請支援・事業計画づくりを本業とする現役の実務家。プロフィール →

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