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申請前チェック

補助金申請の前に、まず「賃金台帳」を確認する理由

補助率が1/2か2/3かは、事業計画の出来ではなく賃上げ要件で決まることがあります。申請作業に入る前に最初に見るべきは、公募要領でも見積書でもなく、自社の賃金台帳です。

補助率は「計画の出来」で決まらないことがある

補助金の相談を受けたとき、私が最初に確認するのは事業計画のアイデアではありません。賃金台帳です。

ものづくり補助金や事業再構築系の補助金では、「大幅な賃上げ」等の要件を満たすと補助率が1/2から2/3に上がる制度設計が珍しくありません。逆に言えば、直近の賃金の推移や給与支給総額の実績次第で、同じ設備・同じ計画でも、もらえる金額が数百万円変わるということです。

現場でよくある行き違い

実務でよく起きるのは、次のような流れです。

  1. 経営者は「2/3もらえる」という前提で投資額を決めている
  2. 申請書を書き始めた段階で、賃上げ要件を満たしていない(または将来の賃上げ約束が現実的でない)ことが判明する
  3. 補助率1/2で資金計画を組み直すことになり、投資自体の意思決定が揺らぐ

申請書を書く労力の問題ではなく、投資判断そのものが後戻りするのが痛いところです。

申請前チェックの順番

私がおすすめする順番は次のとおりです。

  1. 賃金台帳・給与支給総額の推移を確認する(直近1〜3年分)
  2. 賃上げ系の加点・補助率上乗せ要件と突き合わせる
  3. 将来の賃上げ約束が、利益計画から見て履行可能かを検証する(未達の場合は返還を求められる制度もあります)
  4. そのうえで補助率を確定し、投資額と自己資金を決める

賃上げ要件は「書けば加点になるボーナス」ではなく、数年間の人件費コミットメントです。ここを最初に固めると、後の計画づくりが一気に安定します。

※ 本記事は一般的な情報提供であり、個別の制度の要件は公募回ごとに変わります。申請の際は必ず最新の公募要領(原本)をご確認ください。

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この記事を書いた人

池田哲郎(中小企業診断士・池田計画合同会社)。山梨県を拠点に、補助金申請支援・事業計画づくりを本業とする現役の実務家。プロフィール →

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