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制度の選び方

省力化投資補助金の「一般型」と「カタログ注文型」はどう違う?選び方の考え方

省力化投資補助金には一般型とカタログ注文型があります。分かれ目は「何を入れるか」。自社仕様のオーダーか、カタログの汎用製品かで選び方が変わる理由を整理します。

「省力化投資補助金って、一般型とカタログ注文型があるらしいけど、うちはどっちを見ればいいんですか」——製造業を20年やってきた鈴木社長からのご相談です。名前が似ているので混同されがちですが、選び方の軸は一つだけです。今回は鈴木社長との対話で、その分かれ目を整理します。

一般型とカタログ注文型、そもそも何が違うんですか

鈴木社長(経営歴20年)池田さん、省力化の補助金に2つ型があるって聞いたんですが、うちの工場だとどっちを見ればいいんですか。人手が足りなくて、そろそろ本気で機械化を考えたいんです。
池田診断士(中小企業診断士)いい質問です。まず結論からお伝えすると、分かれ目は「何を入れるか」の一点です。カタログに載っている決まった汎用製品をそのまま入れるならカタログ注文型、自社の工程に合わせて仕様を組む・オーダーメイドで作り込む・スクラッチで開発するなら一般型、という整理になります。
鈴木社長(経営歴20年)汎用品か、うち仕様のオーダーか、ってことですね。
池田診断士(中小企業診断士)そうです。IT導入補助金とものづくり補助金の関係を別の記事で「土俵が違う」と説明しましたが、これと似た構図です。省力化投資補助金という同じ制度名の中に、性格の違う2つの入口があると考えてください。

カタログ注文型はどんな製品が対象になるんですか

鈴木社長(経営歴20年)カタログ注文型の方から聞かせてください。どんなものが載っているんですか。
池田診断士(中小企業診断士)事務局が事前に審査・登録した汎用製品のカタログから選ぶ仕組みです。清掃ロボット・券売機・配膳ロボットのような、業種を問わず「型番が決まっている」製品が中心に載っています。カタログにある型番の中から選んで導入する形なので、仕様変更や独自のカスタマイズはできません。
鈴木社長(経営歴20年)うちの工場に、うちの生産ラインに合わせた特注の搬送装置を入れたいんですが、それはカタログにありますか。
池田診断士(中小企業診断士)そこがまさに分かれ目です。特注・オーダーメイドの設備はカタログ注文型の対象にならない可能性が高いです。「欲しい製品がカタログに載っているかどうか」は、必ず公式カタログで確認してください。載っていなければ、そもそもカタログ注文型では申請できません。

一般型はどんな時に検討するんですか

鈴木社長(経営歴20年)じゃあ、うち仕様の特注装置は一般型の方ってことですか。
池田診断士(中小企業診断士)その可能性が高いです。一般型は、個別の現場に合わせてハード・ソフトを自由に組み合わせて導入する制度で、既製品をそのまま買うのではなく、自社の工程に合わせて設計・カスタマイズする投資に向いています。実際、業務フローを自動化するスクラッチ開発型のツールは、あらかじめ登録された製品しか選べないIT導入補助金ではカバーしきれず、一般型の方が対象になりやすいという実務の判断もあります。
鈴木社長(経営歴20年)なるほど。うちみたいに「既製品では合わない」となったら一般型を見る、と。
池田診断士(中小企業診断士)はい。あわせてもう一つ。大がかりな開発案件・設備投資を補助金に乗せたいという相談を受ける際、規模の大きいカスタム投資では一般型を軸に検討することが多いです。ここは「自社仕様であること」が前提になるので、既製品で足りるならわざわざ一般型を選ぶ理由もありません。

事務負担やスピード感も違うんですか

鈴木社長(経営歴20年)手続きの重さも違うんですか。うちは正直、書類仕事に割ける人手がないので。
池田診断士(中小企業診断士)一般論として申し上げると、カタログ注文型は決まった製品を選ぶ分、事業計画の作り込みが比較的シンプルになりやすい一方、一般型は自社仕様の投資計画をゼロから組み立てるため、事業計画書の記載や必要書類のボリュームが増える傾向にあります。ただし、これは「傾向」であって、公募回によって審査項目や様式は変わります。事務負担の重さを数字で断定することはできないので、実際の様式・記載事項は必ず各制度の公式サイトと公募要領で確認してください。
鈴木社長(経営歴20年)数字では言えない、と。
池田診断士(中小企業診断士)そうです。「一般型は大変、カタログ型は楽」と単純化すると、実際に様式を開いたときに「思っていたより重い/軽い」というギャップが起きます。傾向として頭に入れつつ、最終判断は公募要領の原本でお願いします。

選び方を整理すると

鈴木社長(経営歴20年)一旦、表にしてもらえますか。頭の中を整理したいので。
池田診断士(中小企業診断士)もちろんです。
観点 カタログ注文型 一般型
入れるもの 事務局登録済みの汎用製品(型番指定) 自社仕様のオーダー・カスタマイズ・スクラッチ開発も対象になりうる
選び方 欲しい製品が公式カタログに載っているか確認 現場の工程に合わせて設計・組み合わせる
向いているケース 既製品で困りごとが解決する場合 既製品では合わず、自社仕様が必要な場合
事務負担の傾向 比較的シンプルになりやすい(傾向) 計画の作り込みが増えやすい(傾向)
補助上限・補助率・公募方式 制度ごとに異なる。最新情報は制度ページで確認 同上
鈴木社長(経営歴20年)うちの特注搬送装置の話だと、まず一般型を見て、公募要領で対象になるか確認する、という順番ですね。
池田診断士(中小企業診断士)その通りです。逆に「清掃ロボットを1台入れたいだけ」ならカタログを先に見た方が早い場合もあります。「何を入れたいか」を先に固めてから、型を選んでください。

一般型は公募回制、次の回はいつ出るんですか

鈴木社長(経営歴20年)一般型の方は、公募が何回かに分かれているとも聞きました。
池田診断士(中小企業診断士)はい。一般型は当サイトが把握している範囲で2025年3月の第1回から2026年7月締切分の第7回まで、これまでに7回の公募が実施されています(2026年7月時点)。カタログ注文型は交付申請随時受付という形で運用されており、一般型のような回次の区切りとは仕組みが異なります。
鈴木社長(経営歴20年)次の一般型の公募っていつ出るんですか。うちの機械の導入時期を合わせたいんですが。
池田診断士(中小企業診断士)それが、はっきりとは分かりません。分かるのは過去の公募の間隔だけで、次回の日付は公式発表があるまで未定です。「次は◯月に出ます」と断定してくる話は業者であれ何であれ、まず疑ってください。過去の回次のリズムから準備を先回りする考え方は、別記事で詳しく整理しています。それぞれの制度の詳細と最新の公募状況は、一般型のページカタログ注文型のページで確認できます。
鈴木社長(経営歴20年)分かりました。まず自社仕様かどうかを固めて、それから制度ページで最新の締切を見ます。
池田診断士(中小企業診断士)それが正しい順番です。省力化・省人化の投資はこのカテゴリからも他の関連制度を探せますので、あわせてご覧ください。どちらの型で進めるか迷ったら、現場の状況を伺えばご一緒に整理できますので、お気軽にご相談ください

※ 本記事は一般型・カタログ注文型の選び方の考え方を解説したものです。補助上限額・補助率・対象経費・スケジュールは制度・公募回ごとに変わります。申請の際は必ず各制度の公式サイトと最新の公募要領(原本)をご確認ください。

※ 聞き手(田中さん=創業準備中・佐藤さん=開業1年目・鈴木社長=経営歴20年)は、読者のみなさまの疑問を代弁する架空のキャラクターです。回答はすべて運営者・池田哲郎(中小企業診断士)本人によるものです。

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この記事を書いた人

池田哲郎(中小企業診断士・池田計画合同会社)。山梨県を拠点に、補助金申請支援・事業計画づくりを本業とする現役の実務家。プロフィール →

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