「一番大きい補助金」から狙ってはいけない
補助金を探すと、たいてい複数の候補が見つかります。このとき「上限額が一番大きいものから」と考えるのは自然ですが、実務的にはおすすめしません。大型の補助金ほど、
- 競争率が高く、採択までの期間が長い
- 要件が厳しく、事務負担が重い
- 交付決定から入金まで1年以上かかることもある
からです。資金繰りの観点では、額の大きさより「いつ入るか」「どれだけ確実か」が効きます。
2軸で並べる
候補の制度を、次の2軸で並べてみてください。
- 採択容易性:採択率、要件との適合度、加点の取りやすさ
- 即効性:公募から入金までの期間
すると、「小さいが確実で速い制度」(小規模事業者持続化補助金や自治体の小粒な制度など)と、「大きいが遅くて不確実な制度」(大型の設備投資系)に分かれます。まず前者で実績と資金を作り、並行して後者を仕込むのが定石です。
国と自治体は「別名目」で併用する
見落とされがちなのが、国の補助金と都道府県・市町村の補助金の併用です。同一経費への重複受給は原則できませんが、名目(対象経費)を分ければ併用できることが多くあります。
例えば、設備本体は国の補助金、販路開拓は県の制度、店舗改装は市の商店街支援——という組み合わせです。自治体の制度は積極的に広報されないものも多く、ここを拾えるかどうかで、トータルの調達額は大きく変わります。
優先順位づけの実務チェックリスト
- 候補制度を「採択容易性×即効性」でマッピングする
- 経費の重複がないよう、投資項目を制度ごとに割り当てる
- 申請スケジュールを締切から逆算して重ね、事務負担のピークをずらす
- 「取れたら嬉しい」ではなく「取れなくても事業が成立する」資金計画にしておく
※ 本記事は一般的な情報提供です。併用可否は各制度の公募要領・交付規程で必ずご確認ください。