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補助金コンサルが怪しいと感じたら?「採択率100%」業者の見分け方

「採択率100%」「着手金だけで丸投げOK」は要注意サインです。悪徳業者に加担すると返還・加算金を負うのは事業者自身。見分け方を対話形式で解説します。

補助金の申請シーズンになると、SNSや電話営業で「採択率100%」「うちに任せれば必ず通ります」といった売り文句を見かけることが増えます。今回は創業準備中の田中さんと、補助金コンサルの「怪しい」を見抜くポイントについて対話形式でお話しします。結論から言うと、うまい話には必ず裏があります。

補助金コンサルって、そもそも何をしてくれる人なんですか?

田中さん(創業準備中)池田さん、最近「補助金コンサル」って肩書の人からDMが来るようになったんです。何をしてくれる人なんですか?
池田診断士(中小企業診断士)大きく分けると2種類います。1つは事業計画の作り方や制度選びを一緒に考える伴走型の支援者。もう1つは、申請書一式を代わりに作って出す代行型の業者です。どちらも合法ですし、私自身も伴走型の仕事をしています。問題は、その中に質の低い、あるいは悪質な業者が混ざっていることなんです。
田中さん(創業準備中)見分け方って、あるんですか?
池田診断士(中小企業診断士)あります。今日はそこを一緒に整理しましょう。

「採択率100%」って、本当にあり得るんですか?

田中さん(創業準備中)さっきのDM、「弊社は採択率100%です」って書いてあったんですよ。えっ、そんなことあるんだと思って。
池田診断士(中小企業診断士)まず疑ってください。採択率は制度・回・審査員によって変動するもので、誰にも保証できません。「100%」を名乗れるとしたら、可能性は2つです。1つは、通りやすい案件だけを選んで受注している(つまり本当に支援が必要な人を断っている)。もう1つは、分母を都合よく操作している、つまり実際には多くの不採択を「カウントしていない」だけです。
田中さん(創業準備中)なるほど、数字のトリックがあるんですね。
池田診断士(中小企業診断士)そうなんです。それと、公募要領のどこにも「弊社に依頼すれば有利になる」という記載はありません。審査は事業計画の中身で行われるのであって、代行業者のブランドで加点される制度は存在しないんです。

着手金だけ取って、あとは音沙汰なしなんてこと本当にあるんですか?

田中さん(創業準備中)えっ、そんな業者いるんですか?
池田診断士(中小企業診断士)残念ながら、います。パターンとしては、高額な着手金を先に受け取り、申請書の中身は雛形をコピペしただけの薄いもの、不採択になっても「審査は水物なので」と言って終わり、というケースです。ひどいものでは、着手金だけ振り込ませて連絡が取れなくなる例も耳にします。
田中さん(創業準備中)怖い……。どうやって防げばいいんですか?
池田診断士(中小企業診断士)成功報酬型かどうかを必ず確認してください。多くの誠実な支援者は「着手金+採択時の成功報酬」か「完全成功報酬」のどちらかです。着手金だけで高額(数十万円単位)を要求し、成功報酬の設定がまったくない場合は、一度立ち止まったほうがいいです。

実態のない申請に加担させられたら、責任は誰が負うんですか?

田中さん(創業準備中)「経費を水増ししましょう」とか「実際は使っていない設備を計上しましょう」みたいな提案をされたら、どうすればいいですか?
池田診断士(中小企業診断士)即座に断ってください。それは補助金の不正受給です。「バレなければ大丈夫」と持ちかけてくる業者が実際に存在しますが、絶対に乗ってはいけません。
田中さん(創業準備中)でも、業者に言われるがまま出しただけなら、業者の責任になりませんか?
池田診断士(中小企業診断士)ここが一番誤解されているところなんですが、申請者は事業者本人です。業者はあくまで作成を手伝った立場にすぎません。不正が発覚した場合、補助金の返還に加えて加算金(延滞金相当)を負うのは事業者自身です。場合によっては事業者名が公表されることもあります。業者は「うちは関与していません」と離れていくケースがほとんどで、事業者だけが取り残されます。
田中さん(創業準備中)それは……本当に怖い話ですね。
池田診断士(中小企業診断士)だからこそ、提案された経費や数字に少しでも違和感があれば、その場でストップしてください。判断に迷ったら税理士や行政書士、あるいは商工会・よろず支援拠点のような公的な窓口に確認するのが安全です。

良い支援者と悪い支援者、どこで見分ければいいんですか?

田中さん(創業準備中)逆に、信頼できる支援者ってどんな人ですか?
池田診断士(中小企業診断士)私が実務で見てきた特徴を、チェックリストにまとめますね。
確認ポイント 良い支援者の傾向 注意すべき業者の傾向
採択率の説明 「制度・回によって変わります」と正直に言う 「採択率100%」「ほぼ確実」と断言する
報酬体系 着手金は妥当な範囲+成功報酬が明確 高額な着手金のみで成功報酬なし
契約書 業務範囲・キャンセル規定が書面で明確 口頭のみ、契約書を渋る
ヒアリングの深さ 事業内容を丁寧に聞き、事業計画に事業者の言葉を残す テンプレートを流用し、固有名詞だけ差し替える
デメリットの説明 精算払いの資金繰りやNG事項も先に説明する いいことしか言わない
公的窓口への案内 「無料の窓口で足りるならそちらへ」と勧める 無料窓口の存在を伝えない
経費計上の姿勢 グレーな経費は「対象外の可能性が高い」と止める 「これも計上しましょう」と積極的に勧める
田中さん(創業準備中)「デメリットも先に言う」って、地味だけど大事ですね。
池田診断士(中小企業診断士)むしろそこが一番わかりやすいサインです。メリットしか言わない人は、信用しないでください。補助金は精算払いで資金が先に出ていく、交付決定前の発注はNGといった、耳の痛い話が必ずあります。詳しくはフライング発注NGの記事にも書きましたが、こうした制約をきちんと説明する支援者かどうかは、最初の面談で見えてきます。

契約する前に、何を確認すればいいですか?

田中さん(創業準備中)実際に依頼を検討するとき、契約前に何を聞けばいいですか?
池田診断士(中小企業診断士)最低限、この3つは聞いてください。1つ目、「不採択だった場合の費用はどうなりますか」。2つ目、「過去に扱った制度と、直近の実績を教えてください」(具体的な制度名や件数で答えられない場合は要注意です)。3つ目、「担当者はどなたが、いつまで対応しますか」。契約後に連絡が取れなくなるトラブルは、担当者が曖昧なまま契約したケースに多いんです。
田中さん(創業準備中)逆に、最初から公的な窓口に相談するのもアリですか?
池田診断士(中小企業診断士)むしろそれが第一選択でいいと思います。商工会・商工会議所、よろず支援拠点は無料で相談に乗ってくれますし、悪質な勧誘とは無縁です。基礎知識をつけてから民間の支援者を検討すると、業者選びの目も自然と厳しくなります。制度そのものを調べたいときは検索締切カレンダーも活用してください。

まとめとして、田中さんに伝えたいことは?

田中さん(創業準備中)今日聞いて、正直「怪しい」の基準がだいぶクリアになりました。
池田診断士(中小企業診断士)一言でまとめると、「採択率を保証する」「経費のグレーゾーンを勧める」「着手金だけで成功報酬がない」のどれかが当てはまったら、一度距離を置いてください。逆に、デメリットを先に説明し、公的窓口も選択肢として示してくれる相手なら、安心して相談を進めていいと思います。迷ったときは、私のところでも状況を伺えますので無料相談からどうぞ。
田中さん(創業準備中)ありがとうございます。DMは一旦スルーします(笑)。
池田診断士(中小企業診断士)それが正解です。

※ 本記事は一般的な注意喚起を目的とした解説です。個別の契約トラブルや不正受給の疑いがある場合は、税理士・行政書士や弁護士、または各補助金の事務局・警察等の専門機関にご相談ください。

※ 聞き手(田中さん=創業準備中・佐藤さん=開業1年目・鈴木社長=経営歴20年)は、読者のみなさまの疑問を代弁する架空のキャラクターです。回答はすべて運営者・池田哲郎(中小企業診断士)本人によるものです。

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この記事を書いた人

池田哲郎(中小企業診断士・池田計画合同会社)。山梨県を拠点に、補助金申請支援・事業計画づくりを本業とする現役の実務家。プロフィール →

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